上場した日、私は自宅でいつも通りの食事をしていた
はじめまして。INSTINCT BIO TECHNICAL COMPANY(NASDAQ: BIOT)会長の永野友喜です。
この連載では、NASDAQ上場企業の会長である私が、飾らない自分の話を書いていく。経営の話も、失敗の話も、下関の少年だった頃の話も。なぜそんなものを書くのかは、読んでもらえれば分かると思う。
第1回は、多くの人に聞かれる質問から始めたい。
「上場した日、どんなお祝いをしたんですか?」
答えは、何もしていない。その晩、私は自宅で、いつも通りの食事をしていた。パーティーもない。くす玉もない。乾杯の音頭すらない。
冷めているわけではない。理由は簡単だ。
私たちは、お祝いをすでに済ませていたのだ。
日本には古くから「予祝(よしゅく)」という考え方がある。春に花見をするのは、秋の豊作を先に祝うためだった——先に祝い、先に喜ぶことで、その未来を引き寄せる。私たちがやってきたのは、まさにこれだ。上場が決まるずっと前から、私たちは仲間と、来るべき未来を先に祝って、さんざんどんちゃん騒ぎをしてきた。だから当日に祝うものは、もう何も残っていなかった。
そこには、時間のとらえ方の違いがある。
多くの人は、時間が過去から未来へ流れると考える。だから何かが「起きたら」、お祝いをする。「何々があったから、何々をする」——結果を待って、反応する生き方だ。
私たちは逆だ。未来の時間が、今に向かって流れてきている。
私たちは先に未来を設計し、先に祝う。上場も、初めから設計図に描いてあった。だから上場することは、私たちにとって「当たり前」だった。予定していた通過点を、予定通りに通過しただけ。通過点をいちいちイベントとして祝っていたら、その都度立ち止まることになる。世界の大企業と戦うのに、立ち止まっている時間はない。
喜びは、結果が出てからのご褒美ではない。向かっている途中に、先に受け取っておくものだ。
上場した、その日のうちに、私たちはもう次の設計図に向かって動き出している。翌日からではない。当日からだ。未来の時間が今に向かってきている以上、通過点で一泊する理由は、どこにもない。そして、その次の未来の予祝も、もう済んでいる。
その設計図がどんなものか——の前に、次回はまず、私の名前の話をしたい。私の名前は「友喜」という。両親が「友達に喜ばれるように」という願いを込めてつけた名前だ。勉強がまったくできなかった下関の少年が、なぜNASDAQまで来られたのか。振り返ると、答えはぜんぶ、この名前の中にあった。
あなたは、何のために働きますか?
私は、この問いへの答えを、この連載で少しずつ書いていく。
English Summary
"How did you celebrate your IPO day?"
My honest answer: I didn't. On July 24, 2026, our company began trading on Nasdaq. That evening, I had an ordinary dinner at home.
Here is why: we had already celebrated — long before it happened.
In Japan, there is an old tradition called yoshuku — "pre-celebration." Cherry-blossom viewing began as a way to celebrate the autumn harvest in advance: celebrate first, and pull that future toward you. That is exactly what we did. Long before our listing, my team and I had already feasted, laughed, and toasted the future we had designed. By the time it arrived, there was nothing left to celebrate. In fact, we were already moving toward the next blueprint — not the following week, not even the next morning, but on listing day itself.
Most people see time flowing from past to future: something happens, then you react. We see it the other way around: the future we have already designed is flowing toward us.
What do you work for?
— Tomoki Nagano, Chairman & CEO, INSTINCT BIO TECHNICAL COMPANY (NASDAQ: BIOT)
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次回予告:第2回「友達に喜ばれるように」——名前が人生になった話
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INSTINCT BIO TECHNICAL COMPANY 公式サイト — instinct-biot.com本連載は筆者個人の考えを述べたものであり、業績予想、株式の評価、投資勧誘を目的とするものではありません。